東海道線の特急「踊り子」などとして親しまれていた車両「185系」の定期運行終了が12日に迫り、鉄道ファンらの間で惜しむ声が上がっている。引退を記念したCDや弁当が売り切れるなど人気が沸騰。その一方で、鉄道会社は、ファンが撮影などの際に危険な行動を取らないよう呼び掛けている。
9日午前、JR東京駅のホームにはカメラを抱えた人の姿が目立った。お目当ては東海道線の特急「踊り子」の185系だ。
神奈川県平塚市の大学生の男性(20)は約3カ月前から185系を毎日撮影しているといい、「緑のストライプが魅力。(定期運行終了は)悲しい」と話した。
「なくなっちゃうのが寂しい!」
「お疲れ様でした」
「ありがとう185系踊り子」
ツイッターでも185系についての投稿が相次いでいる。撮影スポットで収めた車両の写真をツイートする人も多い。
JR東日本によると、185系は1981年に登場。JR東が特急の定期列車として運行する、最後の国鉄時代からの車両だ。特急から普通列車まで、幅広い用途で運行できるように開発されたという。
82年に東北新幹線大宮―盛岡間が開業してから上野延伸まで、上野―大宮間を「新幹線リレー号」として運行。その後も各地を特急や新特急として走った。現在は東海道線の特急「踊り子」や「湘南ライナー」として運行するが、老朽化が進み、ダイヤ改定前日の12日に定期運行を終える。
引退を前に、様々な関連商品が販売されている。
鉄道のDVD製作を多数手がけてきた会社「ビコム」(福岡県久留米市)は2月21日、「185系 特急踊り子 小田原~東京」というCDを発売。過去に踊り子の映像を収録した際に高音質で録音しておいた185系の力強いモーター音や走行音を再編集した。
電車の音を楽しむファン「音鉄」向けにリリースした同社初のCD。「正直、売れないんじゃないかと思った」(営業担当者)という予想に反し、初回発売分の数百枚は2月中に完売して同社は追加発注したという。「うれしい悲鳴だ」と担当者は喜ぶ。
シウマイで有名な崎陽軒(横浜市西区)は11~13日、「ありがとう185系踊り子記念弁当」を販売する。185系の車体の緑のラインを表現した白米の上の青のりなどが特徴で、1個1300円。今月1日に予約を受け付けたところ、約2時間で予定の3千個の受け付けが終了した。
同社の広報担当者は「185系…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル