愛好者の減少や雪不足に悩むスキー場。公設スキー場を2カ所ずつ持つ岐阜県高山市と飛驒市はそれぞれ、地元利用者とのつながりを重視するなど、ゲレンデの「すみ分け」を狙った運営に乗り出している。民間との競合のなか、「雪国のシンボル」は守れるのか。
1月20日、高山市一之宮町の「高山市民スキー場」。雪不足のため滑れないコースもあったが、近隣や遠方から家族連れなどが訪れた。
名古屋市の40代会社員は妻子とスノーボードやそり遊びに興じた。「もう少し雪があれば。でも子どもも楽しんでいる」。名古屋からは郡上市高鷲地区のスキー場の方が近いが、「ここは安いし、昔も来ていた」と日帰りで足を延ばした。
昨季までの名称は「モンデウス飛驒位山スノーパーク」。近くには別の市営スキー場「ひだ舟山スノーリゾートアルコピア」もあった。どちらも合併前の旧町村時代にオープンし、小規模ながら50年を超える歴史を誇った。
だが、2000年度に計約17万6千人いた両スキー場の利用者は、22年度には約5万5千人に。深刻な雪不足だった19年度は計2万人に満たず、市は指定管理者に約8千万円を補塡(ほてん)した。新型コロナや原油・物価高の影響を受け、その後も補塡は続いたという。
両スキー場の共倒れが懸念さ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル