大阪市北区のクリニックで26人が犠牲になった放火殺人事件は、17日で発生から1年となりました。オフィスや飲食店が集まる街で、多くの人の心の支えとなっていたクリニック。関わりのあった人たちの表情などを随時、お伝えいたします。
12:45
元患者の女性「先生、元気でやっています」
大阪市平野区の原田真紀さん(55)は、「このクリニックは憩いの場だった」と話した。煙に巻き込まれた人たちを思うと、「苦しかったに違いない」と胸が締め付けられる思いがした。
この1年、他のクリニックに行ったり、仕事をしたりして充実した日々を送れているのは、院長の西沢弘太郎先生(当時49)のおかげだという。いまの農業の仕事は、西沢先生に紹介してもらった。「元気でやっています、と伝えたいです」
11:55
増える献花 元患者女性「1年、早かった」
雨が降ったり、やんだりする空模様。現場ビル前の道路脇のスペースには、バラやユリ、キクなどの花束が少しずつ増えていく。
クリニックに通っていたという大阪市の会社員女性(26)も現場に花を手向けた後、「この1年は早かった」と話した。
亡くなった西沢弘太郎院長(当時49)には、会社の人間関係の悩みを伝え、いつも心配をかけていたという。「転職して、環境を変えて、いまはちゃんとやれています。だから、安心してください、と語りかけました」
11:40
休職中の公務員「復職に向け、がんばる」
大阪市の公務員男性(49)は花を手向け、ビルに手を合わせた。事件後、自身もうつ病になって、いまも休職中という。
「火事で犠牲になった人たちは、あきらめずにクリニックに通って、再起を誓った人たち。事件でその希望も打ち砕かれた。ご本人やその家族の無念の思いが伝わってくる。その人たちの分まで、というのはおこがましいかもしれないが、自分も復職に向かってがんまりますと伝えました」
11:00
元患者の女性「ただ、よくなること念じて」
過去にクリニックに通っていたという女性は、現場ビルの前に花を手向けた後、雨でぬれたクリニックの看板をタオルで拭き、ビルに向かって祈った。
「いまも実感がわかず、時間が止まっています」
事件当日、受診予定だったが、整形外科に行かなければならなくなって、クリニックには行かなかった。帰宅後にニュースで事件を知ったという。
事件後、亡くなった西沢弘太郎院長(当時49)の同級生が「院長は患者さんがよくなることを望んでいるでしょう」と話していたのを報道で知った。それからは、「ただよくなることを心に念じてやってきました」。
この女性は、西沢院長に伝えたい気持ちを手紙にしたという。「いまはかける言葉が見つかりません。やっていきます、としか言えません」と話した後、「事件に関心を持ち続けて欲しい。事件を風化させないでほしい」と訴えた。
10:45
会社員男性、初めて花を手向けに
大阪市の会社員男性(65)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル