9日、長崎は被爆77年の「原爆の日」を迎えます。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせるなかで営まれる平和祈念式典や関連の催しなど、祈りの日を迎える長崎の動きを詳報します。
■■■8月9日■■■
08:20
「二度と繰り返さないため、声あげていく」
爆心地公園のそばには、朝鮮半島から渡り長崎で原爆の犠牲となった人々を慰霊する碑がある。平和祈念式典に先立ち、その家族や在日朝鮮人らが集い、献花をするなどして反戦を訴えた。
在日朝鮮人への差別撤廃を訴えて設立された「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」の柴田利明事務局長(71)は「日本による侵略が生んだ犠牲。贖罪(しょくざい)の意味も込め、二度と戦争を繰り返さないためにこれからも声を上げていきたい」と話した。
07:30
「微力だけど無力じゃない」高校生らが人間の鎖
長崎市松山町の爆心地公園では、長崎県内外の高校生約120人が、原爆落下中心地碑を囲み、「人間の鎖」をつくった。原爆の犠牲者を悼みつつ、核兵器のない未来をつくっていく意思を示した。
生徒らは「今後も平和な世界を実現していくため、『微力だけど無力ではない』を信じて、活動を続けていきます」と宣言を読み上げた。
06:40
子どもたちの作品展示、「ウクライナへの祈り」も
長崎市松山町の爆心地公園周辺で、世界各地の子どもたちが思い思いの平和のイメージを、ピカソの代表作「ゲルニカ」と同じ大きさ(縦3・5メートル、横7・8メートル)で描く「キッズゲルニカ」の作品が展示されていた。展示は31日まで。
川沿いに置かれている作品を眺めていた長崎市の女性(82)は、毎年8月9日、教会の早朝の集まりに行ってからキッズゲルニカの作品を見るのが決まりだという。女性は、ウクライナの国旗などをモチーフに描かれた作品「ウクライナへの祈り」に目をとめ、「(中国の旧満州から日本へ)引き揚げる際、ぬかるんだ道を歩いたことを覚えている。ウクライナの子どもが避難する姿は、人ごととは思えない」と話した。
06:00
「世界平和祈る」浦上天主堂で追悼ミサ
爆心地から約500メートルに位置する長崎市の浦上天主堂で、原爆の犠牲者を追悼するミサが開かれた。オルガンの音色が響くなか、信徒ら約250人が祈りを捧げた。
森内照子さん(91)は77年前の朝、市内の自宅で被爆した。髪の毛が燃え、皮膚が垂れ下がった人々が「長崎は地獄だ」と叫ぶ姿が目に焼きついている。ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにし、「『またか』と怖い。ただ世界平和を祈るばかりです」。
浦上天主堂は1925年に完成したが、原爆で全壊。周辺に住んでいた1万2千人の信徒のうち、8500人が犠牲になったとされる。
■■■■8月8日■■■…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル