新型コロナウイルスの感染が急拡大し、まん延防止等重点措置が先行適用された大阪府で13日、東京五輪の聖火リレーがスタートしました。公道ではなく、一般の観客がいない万博記念公園内を走る異例の方式。走者の様子や思いをタイムラインで速報します。
拡大する万博記念公園の聖火リレーに笑顔で臨む寺川綾さん=2021年4月13日午前9時29分、大阪府吹田市、柴田悠貴撮影
12:00
公園閉鎖、外の人「やむをえない」
リレーは万博記念公園を閉めきって実施されている。
公園の入り口を通りかかった大阪市の50代男性は、「公園で走るのは知っていた。こんな状況だから、やむをえないでしょ」。近くのショッピングセンターに向かう途中だった大阪府吹田市の50代女性は、「こういう場所があってよかったんじゃないですか。コロナ禍だし、誰にも迷惑をかけなくていいと思います」と話した。
拡大する太陽の塔の周りを走る聖火リレー=2021年4月13日午前11時44分、大阪府吹田市、朝日新聞社ヘリから、白井伸洋撮影
11:45
リトグリのかれんさん「力を送りたい」
走り終わったランナーたちはコースから少しはずれた建物に集まり、報道陣の取材に応じた。
原則として無観客だが、警備員たちに守られての走行に、「物々しさにびっくりした」と話すランナーもいた。
ボーカルグループ「Little Glee Monster」(リトグリ)のかれんさんは、「一時は中止になるかもという不安もあった。普段は歌でエールを伝えているが、今日はランナーとして力を送りたいと思いながら走った」と話した。
10:25
桂文枝さん「いらっしゃーい」 前の走者と
吉本興業所属の落語家、桂文枝さんもランナーとして万博記念公園内を走った。前の走者から聖火を受け取ると、2人でお決まりのギャグ「いらっしゃーい」を披露した。
走り出してからは報道用のヘリコプターが飛ぶ空を時折見上げ、指を掲げながら次の走者へとつないだ。
拡大する30番目走者の桂文枝さん=2021年4月13日午前10時26分、大阪府吹田市の万博記念公園、甲斐江里子撮影
09:55
15歳の橋本さん走る 見守る父「うれしい」
特別支援学校に通う橋本健亮(けんすけ)さん(15)は、家族たちに見守られながら走り出した。橋本さんには生まれつき身体に障害があり、父の洋之さん(48)は「生きているだけでも精いっぱいの時期もあった」と話す。
無事に200メートル走りきった健亮さんを、洋之さんはビデオカメラを回しながら見守った。「公道でみんなに応援してもらえないのは残念だけど、(健亮さんが)力強く、堂々と走ってくれてうれしい」
拡大する補助具をつけながら走った橋本健亮さん=2021年4月13日午前9時56分、大阪府吹田市の万博記念公園、甲斐江里子撮影
09:19
鎮守美奈さんにトーチキス
定刻になると、第1走者で歌舞伎役者の片岡愛之助さんが、車に先導されながらゆっくりと走り出した。スタートした直後にはスタッフなどから拍手があがったが、その後は報道陣のシャッター音やヘリコプターの音が響いた。
片岡さんは笑顔で沿道の報道陣らに手を振りながら、第2走者の鎮守美奈さんが待つポイントへ。片岡さんは「よろしくお願いします」と言いながら、鎮守さんにトーチキスをした。
拡大する第1走者の片岡愛之助さん(左)から第2走者の鎮守美奈さんへ最初のトーチキス=2021年4月13日午前9時19分、大阪府吹田市の万博記念公園、甲斐江里子撮影
09:15
片岡愛之助さんが第一走者
聖火リレーがスタート。第1走者は歌舞伎役者の片岡愛之助さん。
大阪府堺市南区の小学6年、浜田奈穂(なお)さん(11)は、母親の裕美さんの応援をするため、父親と祖母と万博記念公園に来た。
「せっかくだから」と習っているチアリーディングのポンポンをもって、片岡さんも応援することにしたという。「友達に聖火リレーを見に行くと昨日話したら、めっちゃすごい、と言われました」
拡大する大阪府の第1走者の片岡愛之助さん=2021年4月13日午前9時16分、大阪府吹田市の万博記念公園、甲斐江里子撮影
感染拡大の大阪、どう走る?
万博記念公園では、園内に約3キロのコースを作って15区間に分け、1人あたり約200メートルずつ走る。ランナー1人について家族など最大4人まで観覧できるようにしたが、スポンサーの車両は走らず、リレーの隊列の車両は最小限に絞り込んだ。13、14の両日に開かれる。
公道での実施の場合、大阪府内の走者は約200人が予定されていたが、公園内となり、実際に何人が走るかは不明だという。
13日夕には公園内の広場で、日本フェンシング協会の太田雄貴会長(35)や音楽グループ「GENERATIONS」、書道家の武田双雲さん(45)らを招いた式典が無観客のライブ配信で開かれる。
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大阪府と東京五輪組織委員会は、新型コロナウイルスの感染拡大で「まん延防止等重点措置」が大阪府に適用され、不要不急の移動自粛が求められたとして、公道での聖火リレー中止を決めた。
3月25日に福島県を出発した聖火リレーは13日で20日目で、公道でのリレー中止は全国で初めて。
大阪府の吉村洋文知事が、重点措置の適用を政府に要請する方針を示したのは3月29日。吉村知事は4月1日、大阪市内では聖火リレーを中止する方針を表明したが、7日になって府内全域の公道での中止が決まった。この日に万博記念公園で代替する方針も示されたが、概要が発表されたのは9日の深夜になった。
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14日で五輪開幕まで100日となる。重点措置は12日から東京都や京都府、沖縄県にも適用されている。聖火リレーは今後、不要不急の移動自粛が全国で求められる中で実施されることになる。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル