東京都品川区教育委員会は19日、2020年に区立中学生に対するいじめを把握しながら、法定の「重大事態」の認定に2年以上かかる事案があったと発表した。認定後に第三者による調査を始めたが、事案の詳細を把握できなかったという。「認識が甘かった」とミスを認め、陳謝した。
区教委によると、いじめは、当時1年だった生徒が、ファイルをペンで塗りつぶされたり、「ガチでしね」「きえろ」「今日中にころす」などと書かれた紙を机やロッカーに入れられたりしたというもの。20年2月以降に起き、加害者は分からなかった。
「解決して」被害生徒が校長に手紙
学校はいじめと認識して区教委に報告し、警察にも協力を依頼したが、いじめは止まらなかった。被害生徒は過呼吸を起こして何度も倒れるなど体調を悪化させ、適応障害と診断され、20年10月に区外に転校した。その際、校長らに「解決してほしい」と手紙で訴えてもいた。
学校は、事態把握後、同じ学年の生徒全員に無記名アンケートをしたり、面談をしたりしたが、加害者を特定できなかったという。
区教委は学校から報告を受けていたが、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定したのは、22年3月に被害生徒の保護者から申し出を受けた後の同5月だった。
同法は、いじめで児童生徒の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル