新型コロナウイルスの「第5波」では、子どもたちにも感染が広がっている。小学校の夏休み延長や分散登校の実施が相次ぐなか、親が働く家庭の子どもたちが通う学童保育(放課後児童クラブ)の現場も対応に追われている。十分な広さが確保できなければ、密な場所で子どもたちが過ごすことになってリスクは高まる。学童でのクラスターも各地で発生しており、現場は緊張の日々が続く。
子どもの姿 見ていて「切なくなる」
横浜市立の小学校は、1日から2学期が始まったが、同月上旬は分散登校。給食は2日から提供されている。
市内にある学童「わんぱくハウス」は、正午から午後7時まで開所する。
指導員で事業所長の執印(しゅういん)由里子さん(39)によると、小学校1~6年生の54人が利用するなか、感染防止で最も気を使うのが食事だという。市からは、2学期以降の学童の運営について、「おやつの提供は原則中止」という通知が示された。執印さんは「夕方まで過ごす子が空腹になるのを避けるためにも、おやつをなくしてよいのか」と悩んだ。
第5波の前も、昼食やおやつの時は間隔を空けて座っていた。第5波で子どもたちの感染が各地で増えてからは、一人ひとりに小型のテーブルを割り当てる方式に変更。テーブルは、それまで以上に子ども同士の距離が取れるように置かれている。いま子どもはそこに1人ずつ座って黙食している。
新学期が始まる前に保護者や小学校の校長らとも相談を重ね、手洗いや消毒を徹底して、このやり方でおやつの提供を続けることになった。「対策を徹底しても、不安はある」
子どもたちが過ごす場としての変化も感じる。遊んでいる時も、高学年の児童が低学年に「マスクずれてるよ」「手洗った?」と声をかけるようになった。執印さんは「この1年、大人が注意するのは感染防止に関することばかりなので、子どもも分かっている。その姿を見ると、切なくなる」と話す。
さいたま市は8月26日から…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル