福岡県の改正暴力団排除条例の施行で、繁華街のスナックなどが「暴力団お断り」の意思表示をする標章を掲示し始め、8月で10年を迎えた。標章制度の導入直後には、掲示する店への嫌がらせとみられる事件が多発。掲示率は長年低迷したが、県警の工藤会をはじめとする暴力団への対策が奏功し、上昇に転じている。
JR小倉駅から徒歩数分。碁盤の目のように整備された北九州市の繁華街を歩くと、居酒屋やスナックが所狭しと並び、店の前に「暴力団員立入(たちいり)禁止」の標章を掲げる店が目立つ。
同市で飲食店を経営する女性は、制度導入直後の2012年8月に店が入るビルが放火され、周辺に規制線がめぐらされて近づけなかったことを思い出す。標章を掲げている店への暴力団関係者による嫌がらせとみられた。
当時、女性の店を含めたこのビルに入る複数の飲食店が、入り口に標章を掲げていた。だが、放火事件発生後、「危険な目に遭うんじゃないか」と、周囲の店が次々に標章を外した。
数カ月悩んだ末に女性も外し…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル