日本の無人補給船「こうのとり(HTV)」9号機が25日夜、国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。飛行士の食料や水、大型バッテリーなどを積み、21日にH2Bロケットで打ち上げられていた。今回が最後の飛行で、次回からは輸送能力を高めたHTV―Xにバトンタッチする。
HTVはこの日午後9時ごろ、金色に輝く円筒形の巨体をゆっくりとISSに近づけた。飛行士がロボットアームを操作してキャッチした。26日未明にISSに結合する予定だ。
HTVは2009年に初飛行。米ロの補給船が失敗するなかで9回の打ち上げをすべて成功させ、安定して補給任務をこなした。9号機は1~2カ月ほどISSに滞在し、大気圏に再突入して燃え尽きる。
HTV9号機は、ISSの日本実験棟「きぼう」に設置するロボットカメラも運んだ。地上から遠隔操作して宇宙や地球の動画を撮れるといい、今秋にも操作を体験できる特設会場を都内に設置する。将来的には、作業用のアームがついたロボットに発展させ、飛行士の作業や実験の一部を肩代わりすることを狙う。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とANAホールディングス傘下のベンチャー「avatarin(アバターイン)」が開発した。直径と高さがいずれも12センチの円筒型のカメラで、上下左右に向きを変え、地上からの操作で好きな方向の映像を撮ることができる。同社アドバイザーで東京大の中須賀真一教授は「宇宙での活動を疑似体験できる世界初の試みで、楽しみ」としている。
今回のロボットカメラで地上と…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル