香川に春の訪れをつげる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が5~21日の17日間(11日休演)、香川県琴平町の旧金毘羅大芝居(金丸座)で5年ぶりに開かれる。観光のまちの琴平では「まちどおしい」と期待は高まる。一方、コロナ禍などで中止が長引いた影響もあり裏方を担う地元の人材は不足しており、関係者らが試行錯誤を続けている。
「こんぴらさん」の町は5年ぶりに歌舞伎の春一色に染まった。町内の各所にカラフルな歌舞伎のぼりがはためき、桜も満開だ。
多くの観光客らが行き交う金比羅街道沿いにある土産物屋「灸まん本舗石段や」の長岡直美店長は「ようやく戻ってきたかという感じ。こんぴら歌舞伎をきっかけにたくさんのお客さんが来てくれれば」と期待を込める。
金丸座(1835年建築)は現存する国内最古の芝居小屋で、舞台と客席の距離が近く、江戸時代の劇場そのままの臨場感や面影を残す。
その分、現代の劇場とは異なり、電気も機械も使わずに上演する。
歌舞伎俳優が舞台にせり出す装置「スッポン」や、舞台転換時に使う回り舞台、明るさを調整する明かり窓の開閉などはすべて人力で操作する。
これら裏方の仕事は1985年の開催当初から、地元の商工会青年部がボランティアで受け持ってきた。
だが、青年部のメンバーは年々減少し、約20年前の約40人から現在は19人に。
青年部の仕事は、小屋前での来場者の整理や入場券のもぎり、下足袋の配布などもあり、部員一人あたりの負担が重くなっていた。
そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。
開催見送りが続いた間に、こ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル