「またねー、またねー」
娘のすずちゃん(11)が隣でそう言うのを聞いて、母の美奈子さん(53)は驚いた。横断歩道の先で、かつて保育園で仲良しだった友だちが笑って手を振る。それを見て、すずちゃんもブンブン手を振っていた。昨秋のことだ。
竹山鈴乃さん。すずちゃんは、静岡県沼津市の特別支援学校に通う小学5年の女の子。重度の知的障害がある自閉症で「お菓子」とか「ちょうだい」など、30語ほどしか話せない。娘が自分から「またね」と言うのを美奈子さんは初めて聞いた。「やっぱり――」。保育園に通っていたころを思い出した。
拡大する芝生で休んでいるママをのぞき込む小学5年生のすずちゃん=2020年
すずちゃんを産んでから、美奈…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル