井上潜
地元の酒蔵と協力し、北海道産の酒米を使った日本酒造りに挑戦している旭川農業高校(北海道旭川市)の生徒たちが29日、校内の田んぼで原料となる酒米「きたしずく」の収穫作業を行った。生徒たちは来年2月から始まる日本酒の仕込み作業にも参加する予定。酒蔵では、できあがった日本酒を生徒が成人するまで冷蔵貯蔵して贈ることも考えているという。
地元の魅力を知り、地域貢献につなげようと、市内の老舗酒蔵・高砂酒造と同校農業科学科の2、3年生が連携し、今年から始めたプロジェクト。生徒たちは酒造の杜氏(とうじ)から日本酒について講義を受けた後、5月に学校の水田約750平方メートルに「きたしずく」を植えた。
収穫作業には生徒と同酒造の社員ら約30人が参加。実りを迎えた稲を鎌などを使って刈り取った。
道内ではこの夏、高温少雨が続いたが、稲の生育はまずます。酒米は主食用米と比べて丈が長く、強風などで倒伏しやすいのが難点だが、大田優斗さん(2年)は「心配していたほど倒れていなかった」とにっこり。菅琴音さん(3年)も「これから酒米がどうなっていくのか、仕込み作業に参加させてもらうのが楽しみ。20歳になったら飲んでみたい」と笑顔で話していた。(井上潜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル