地下飲食街として日本有数の歴史を誇る阪神元町駅(神戸市中央区)の「有楽名店街」が30日、76年の歩みに幕を下ろす日を迎えた。なじみのスナックなどに常連客らが集まり、別れを惜しんだ。昭和レトロの雰囲気を色濃く残す風景がまた一つ、街から姿を消す。(宮島昌英、森直由)
最終日、常連客らでにぎわう
最終日を迎えた30日、名店街は夕方から最後の光景を収めようとカメラで写真を撮って回る人や、なじみの店に別れを告げる常連客らでにぎわった。
テナントの貸主の阪神電鉄によると、戦後間もない1947年、阪神元町駅の地下通路沿いに「阪神メトロ街」として開業。59年に有楽名店街に改称した。
全長約120メートルの地下街に、最盛期は約50店のスナックや居酒屋などが軒を連ねた。夜は元町周辺の官公庁や会社で働く人や港湾労働者たちでにぎわった。95年の阪神・淡路大震災の被害も比較的少なく、昭和の雰囲気が色濃く残っていた。
しかし2014年3月、大阪…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル