香川県さぬき市の瀬戸内海沿いに、巨大な四角い水槽が三つ並んでいる。それぞれに同心円状の模様が見え、さながらアリ地獄のようだ。
県の施設で、その名は「県クルマエビ等大規模中間育成施設」。一辺70メートル、深さ1・5メートルほどの水槽が東西に三つあり、砂が底に敷かれている。
クルマエビやヒラメは、1~2センチの大きさになると砂に潜る性質がある。自然に近い環境で、放流に適するまで育てているのだ。
施設は、グルメ漫画「美味しんぼ」に登場する。現地で職員から説明を受ける主人公たち。漁業資源の回復への「希望の光」として取り上げられている。県の担当者は「四国でこれだけの規模のものはない」と胸を張る。(江湖良二)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル