特殊詐欺の被害を防いだとして、宮城県警岩沼署は8日、名取市のファミリーマート名取田高店のオーナーとマネジャーの2人に感謝状を贈った。
署などによると、同店で3月23日夜、同市の70代女性が20万円分の電子マネーカードを購入しようとしていた。レジにいたマネジャーの佐藤綾(りょう)さん(28)は、高額商品の購入に、「詐欺ではないか」と思った。声をかけると、女性は「自分の支払いです」と言う。それでも5分ほど話を聞く。やっぱりあやしい。「たぶん詐欺ですよ。警察に相談したほうがいい」と女性を説得し、110番通報した。女性は来店前に知らない男から、「携帯電話の未納料金を至急支払って」と電話で言われていたという。
佐藤さんはこれまでも「相手が不快に思わないような声がけ」を心がけてきたといい、「自信につながった。他のスタッフの教育にいっそう力を入れていきたい」。オーナーの渡辺博一さん(46)も「お客さんが被害に遭わなかったのが一番。地域密着で、信頼されるお店になれれば」。
菅原優署長は「警察官でも声がけはちゅうちょする。詐欺被害はなかなか食い止めることはできず、最後のとりでが皆さんです」と話した。
県警生活安全企画課によると、昨年の県内の特殊詐欺は180件、被害総額は約2億8千万円(いずれも暫定値)だった。(三井新)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル