「今日のテーマは、パティシエ! お菓子を作る人、知ってる?」
神戸市内の小さなビルの一室で、塾講師の高橋惇さん(33)が小学1~3年生の6人に呼びかけた。パソコンを使ってテンポ良く説明する高橋さんは、元お笑い芸人だ。
「聞いたことある」「何作るの?」とみんなこれから始まることに興味津々の様子だ。
高橋さんは2017年に、小中学生向けの塾「イドミィ」を開いた。国語算数など学校での科目も教えるが、「実体験こそ最大の学び」が理念のアクティブラーニングスクールとうたっている。
売りの一つが、小学生対象の「テーマ探究」のコースだ。今年のテーマは「子ども社長」。ラジオDJ、ファッションデザイナー、農業など12の仕事を「インターン」として経験し、働くこと、お金について学んでいる。
この日はパティシエの仕事を教室で説明した後、フルーツゼリー作りにチャレンジ。1人200円の予算で、近所のスーパーで材料を買い、「イチゴは高い」「消費税が別にある」など気づいたことをメモした。
「テーマごとにみんなで協力して考えたり伝え合ったりしながら、自分がどんなことに関心があるのか、どんな大人になりたいのかを見つけていくのが目的です」と高橋さんは話す。
高橋さんがこの塾を始めた背景には、芸人としての挫折がある。
休み時間に漫才で笑いを取る…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル