ある文学系学会の東京支部で4月、会員である男性研究者が支部長に再任された。この研究者は3月、所属する都内の大学からアカハラをしたとして停職2カ月の懲戒処分を受けていた。大学院生3人に対し、研究者としての資質がないといった内容のメールを送ったり発言したりしたという。4月末、大学は匿名で処分を公表。男性研究者は現在、「一身上の都合」として支部長の仕事を自粛しているという。
「学会に安心して参加できない」――。アカデミックハラスメントが認定された大学教員が所属大学で懲戒処分されても、学会では役員を継続できる。そんな状況に、被害者を中心に疑問の声があがっています。専門家は「対応に難しさはあるが、学会にハラスメントに関する規定を設けるなど、できることはある」と指摘します。
学会メンバーによると、支部長は4月にあった支部総会で選ばれた。当時は大学の処分発表前だった。停職処分中であることについて、男性研究者から説明はなかったという。
大学の処分公表後に会員の間で問題視する声が上がったが、学会にハラスメントに対する規定などがなく、役員らで今後の対応を模索しているという。朝日新聞は学会と支部、男性研究者に取材を申し込んだが、23日までに返事はなかった。
被害学生ら「ありえない」
この男性研究者からハラスメ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル