熊谷姿慧 鈴木春香
春の訪れを告げるイカナゴ新子漁が11日、兵庫県の播磨灘で解禁された。近年、深刻な不漁が続き、播磨灘と大阪湾で統一の解禁日を定めるようになった1993年以降、大阪湾では初の休漁に。播磨灘でも早期に休漁となる可能性がある。
この日夜明け前、林崎漁港(明石市)から8隻が出航。午前11時前の水揚げ分はさっそく競りに出され、25キログラム約17万円の値段がついた。不漁のため大きく高騰しており、仲買人は「聞いたことのない価格」と話した。
兵庫県内のイカナゴの漁獲量は2016年までほぼ毎年1万トン以上だったが、17年から急減。20年は142トンで過去最低を記録し、23年も1209トンだった。兵庫県水産技術センターによると、海中の栄養が減ったことや水温の上昇が原因とみられるといい、今年も昨年以上の不漁が見込まれている。
大阪湾を漁場とする摂津船びき網漁業協議会は、資源を守るため休漁に踏み切った。前田勝彦会長(57)によると、漁業者の中でも休漁とするかどうか意見が分かれたという。前田会長は「苦渋の決断だった。今年の漁獲量は(過去最低だった)20年並みか、それを下回るのではないか」と話す。(熊谷姿慧、鈴木春香)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル