高額アルバイトを探していた若者が、SNSを通じて知り合った男に指示されるまま、見知らぬ高齢女性宅に押し入って暴行を加え、罪に問われた。裁判で「断る勇気がなかった」と口にした若者。その代償は実刑判決だった。
神奈川県横須賀市のアルバイト今井大輔被告(21)が住居侵入と強盗未遂の罪に問われた事件は、昨年11月に群馬県高崎市の女性(80)方で起きた。前橋地裁で開かれた公判で、「いいように利用された」(今井被告)という経緯が明かされた。
きっかけはツイッターだった。高額アルバイトを誘う名古屋市港区の作業員松尾龍命(たつや)容疑者(25)=同罪で起訴=と知り合い、無料通信アプリで松尾容疑者が運営していたグループに参加した。「高額案件」として美人局(つつもたせ)やタタキ(強盗)などの「仕事」が紹介されていたが、今井被告はそのバイトが犯罪になると思わなかったと言い張った。
松尾容疑者らのグループは、事件の2日前から「アポ電」と呼ばれる電話を複数回かけ、高崎市の女性に狙いを定めていた。事件の前日、今井被告に連絡があった。「仕事」の内容は知らされず、ハンマーと粘着テープを持参するよう指示された。
同様にツイッターで松尾容疑者と知り合った無職山浦良樹被告(21)=東京都足立区=と、その知人の会社員少年(当時19)=東京都町田市=と落ち合い、少年が運転する車で高崎駅へ向かった。途中、電話が鳴った。松尾容疑者からだった。「抵抗されたら、指を潰して死の危険を感じさせてでもやれ」。この時初めて、犯罪の片棒を担がされることに気づいた、と今井被告。だが逆らったら何をされるか分からないと思い、逃げ出せなかった。
玄関前「ハケ(退散し)てもいいですか」
高崎駅前で今井被告と少年は車…
980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル