大学入学共通テストの問題が試験中に外部に流出したとされる件を受け、文部科学省は、新年度に情報技術の専門家を交え、カンニング対策を検討する方針を固めた。今年の共通テストでは、試験会場の東京大学前で受験生らが刺される事件も起きており、防犯の専門家も加え、手荷物検査が実施できるのかどうかなどについても検討する。
文科省によると、4月以降、大学や高校の関係者でつくる「大学入学者選抜協議会」で、情報技術や防犯の専門家を「臨時協力者」に加えて議論することを想定。問題が流出したとされる会場の監督体制などを検証した上で、スマートフォンやウェアラブル端末などの電子機器の性能向上を踏まえ、対策を検討する方針という。
一方、防犯対策の検討にあたっては、手荷物検査による試験時間全体への影響や受験生への精神的な負担にも配慮する。また、今年の共通テストでは、トンガ諸島の噴火による津波の影響で試験が中止になった会場もあり、防災の専門家も加える予定という。
香川県警に出頭した19歳の女子大学生は、スマホで試験問題を撮影し、流出させたことを認めているとされる。末松信介文科相は28日の記者会見で「(容疑が)事実であれば、公平で公正に行われる入試の信頼を著しく損なった行為だ」と指摘した。(三浦淳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル