新型コロナウイルスの影響で結婚式を開けなかった2組のカップルが4日、高知県四万十市の四万十川を走る屋形船で結婚式を挙げた。船上から紙飛行機を飛ばし、清流に永遠の愛を誓った。
同市の観光遊覧船業者や貸衣装業者らでつくる団体「四万十D&H」が企画した。応募のあった12組の中から、愛媛県宇和島市の自営業山本泰輔さん(42)とひとみさん(35)、高知県いの町の会社員長山朋弘さん(28)と満理奈さん(30)が選ばれた。
船中ではカップルは「清流四万十川を証人とし、ここに夫婦の誓いをかわします」と誓詞を読み上げ、指輪を交換した。同市中心部の天神橋アーケード街(長さ150メートル)をバージンロードに見立てたパレードも実施した。商店街の人たちが「結婚おめでとう」とクラッカーを鳴らして祝福した。
山本さん夫妻は新型コロナの影響で人が集まる結婚式を延ばして我慢していた。それを知った妻のひとみさんの姉・石本みささん(46)が「ずっと母の介護をしてくれた妹に感謝の気持ちを込めて四万十川での結婚式を贈りたい」と応募した。ひとみさんは「本当にうれしい。四万十川の美しさとともに忘れられません」と涙ぐんだ。
長山さん夫妻は、満理奈さんが病院勤務でもあり、結婚式は無期限延期のつもりだったという。「四万十川に愛を誓いました。幸せになります」と笑顔で喜んだ。2組は、料亭で四万十川のデザインをしたウエディングケーキに入刀し、コンサートを楽しんだ。(笠原雅俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル