TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月26日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、サイボウズ代表取締役社長の青野慶久さんが“テレワークのコツ”を解説しました。
◆テレワークの実施状況は?
新型コロナウイルス感染防止策の一環として、正社員の13.2%が在宅で仕事をする「テレワーク」を実施していることがパーソル総合研究所の調査でわかりました。また、そのうちの47.8%が「現在の会社で初めて実施した」と回答。一方、実施していない人のうち33.7%は「希望しているができていない」と答え、理由は「社内制度の未整備」が最多。企業側の対応の遅れも浮き彫りとなっています。
青野さんは「ここでテレワークを諦めてしまうと働けなくなってしまうから、ぜひチャレンジしていただきたい」と言い、テレワークに必要な3つのポイントを紹介。
1つは「制度」、もう1つはパソコンなどの「ツール」。そして、最も重要なものとして挙げたのは「風土」。「よほどの事情がないとやってはいけないという風土になるとなかなかできない。こういうことをやっていい、テレワークは奨励すべきという風土を作ることが大事」と強調します。
また、実際にテレワークを行う場合、現在は一般的に“Eメール”が普及していますが、「これは、けっこう危険」と青野さんは危惧。というのも、Eメールは宛先を選んで送るため、宛先に入っていない人とはコミュニケーションできないから。そうなると会社の雰囲気がより一層わからなくなるだけに、青野さんは“情報共有”を呼びかけ、やりとりする場合にはオープンなツールを使うよう喚起します。
◆テレワーク導入のポイントは?
テレワーク導入のポイントとして、まずはソフトウェアなど「オンラインオフィス環境の整備」と、それを使うためのハードウェアの「セキュリティ対策」。さらには、「人間の進歩も必要」と青野さんは言います。カフェなどで仕事をする際、背後に人がいたらやらないなど「テレワーク用ガイドラインの周知」を訴え、最後は心理的な配慮として「心理的安全性の確保」も。
なかには、仕事をしているのか1時間に一度の報告義務を課す会社などもあり、そうなると「テレワークが面倒くさいとなっちゃいますよね」と青野さん。サイボウズでも過去にそれに近いことをやっていたそうですが、今は自由に。ただ、それだけに管理や評価が大事であり、「時間じゃない評価をきちんと入れていくこと」と指摘。
とはいえ、仕事によってはテレワーク導入が難しい職種もありますが、例えばイベントや授業などはオンラインで配信したり、小売店であればネットショップを強化するなど、青野さんは「この機会にネットを使ったモデルにチャレンジしていただきたい」と訴えます。
そんな青野さんに視聴者からは質問が。まずは、「(テレワークにあたっての)回線費用や端末(の購入費)は会社で持ってくれるのか?」。これに青野さんは「会社が補助をするようになれば加速する。ぜひ会社も頑張ってほしい」と返答。
また、いかに風土を作るかについては、「トップダウンがあるといい。トップから号令をかけて『やろう!』と言ってくれると風土も変わると思う」と青野さん。
さらに、元財務官僚でニューヨーク州弁護士の山口真由さんからテレワークにおける人間関係について問われると、「雰囲気が悪いことも含め、情報が共有されていると他の人がヘルプに入れる。Eメールで激しくやり合っていても、周りの人は気付かないですから」と答え、改めて“情報共有”“オープンなツールでのやり取り”の重要性を強調していました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース