SF映画の不朽のシリーズ「スター・ウォーズ」の完結編となる最新作「スカイウォーカーの夜明け」が来月20日に日米同時公開されるのを記念して、奈良市の東大寺で12日夜、「音楽奉納」が報道陣に公開された。大仏殿の前で、おなじみの勇壮なテーマ曲やダース・ベイダーの登場曲「帝国のマーチ」などが高らかに響き渡った。
東大寺では、752年に大仏開眼供養会(かいげんくようえ)が営まれたとき、インド僧が導師を務め、楽舞が盛大に披露されたという。この故事にあやかった大ヒット祈願のイベント。吹奏楽団「源―Minamoto―」が、「スター・ウォーズ」の楽曲から4曲をメドレー演奏。フィナーレでは、「C―3PO」「R2―D2」「BB―8」の3体のドロイド(ロボット)キャラも登場して、景気づけに一役買った。
「遠い昔、はるか彼方(かなた)の銀河系で……」と語り始められる「スター・ウォーズ」シリーズの第1作「エピソード4/新たなる希望」は1977年に公開された。シリーズ製作の本家本元だったルーカス・フィルム社がウォルト・ディズニー社に買収された後、第7作の「フォースの覚醒」(2015年)から始まった新3部作は、「スカイウォーカー家の『家族の愛と喪失の物語』」と銘打たれている。主人公は、砂漠の惑星で宇宙船のスクラップをあさって食うや食わずの暮らしをしていた19歳の孤独な女性、レイ。ハン・ソロとの運命的な出会いから、身の内に眠っていたフォースが覚醒する。
前作(第8作)の「最後のジェダイ」(17年)で、レイは、帝国の残党軍「ファースト・オーダー」とレイア・オーガナ将軍率いるレジスタンス組織の激戦のさなか、ただひとり生き残って隠遁(いんとん)していた伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーのもとで修行を積む。一方、宿敵となる、ハン・ソロの息子、カイロ・レンは、ファースト・オーダーの絶対的支配者となり、祖父ダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)の暗黒の遺志を受け継ぐ決意をする。
帝国と共和国の興亡を荘重なスペースオペラにしたシリーズは、9作目となる最新作で、ついに完結を迎える。銀河を二分する戦いとともに、フォースの「光」と「闇」を、それぞれ体現することになったレイとレン。ふたりの最終決戦の時が迫る……。(保科龍朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル