独身、無職の中年の子が、同居する高齢の親に生活費を頼り続ける「8050(ハチマルゴーマル)問題」。こうした家庭は、ひきこもりや生活困窮などの課題を抱え、社会から孤立しやすいとされます。外から見えない窮状をいかに把握し、支援につなげれば良いのでしょうか。
この問題に日々向き合っているのが、豊中市社会福祉協議会の勝部麗子さん。初冬のある日、その活動に同行させてもらった。
トレードマークの社協の紺のジャンパーを着た勝部さんがミーティングを終え、事務所を出たときだった。
小柄な高齢女性が目の前に立った。冷え込んだ朝なのにコートも羽織らず、サンダル履き。勝部さんの顔を見ると、子どものように泣き出した。
「息子に、殴られたあ……」
勝部さんは、黙って女性を抱き…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル