トイレットペーパーが、ない!――。福岡市内の公園のトイレに駆け込んだ記者(29)は、思わずがくぜんとした。別のトイレにも、備品としても……。急な腹痛に襲われて公衆トイレに駆け込んでも、紙がなければ用を足すことはできない。行政を担当する記者として市役所を取材すると「あえて設置していない」との説明だった。その理由を探ってみると、公衆トイレをめぐる、ある「常識」が見えてきた。
2月27日の昼下がり。朝から職場の同僚2人とサイクリングをしていた記者は、福岡市への帰路の途中に急激な腹痛に見舞われた。
海沿いを走り、風で腹が冷えたのだろう。最寄りにあり、家族連れでにぎわう長垂海浜公園(福岡市西区)に入った。
記事の後半では、公園の公衆トイレに「あえて紙を置かない」理由について、福岡市の担当者が説明します。取材を進めると、福岡市のみならず、ほかの地域にも共通する、公衆トイレをめぐる「事情」が分かってきました。
駆け込んだ男子トイレに唯一あった個室に入り、異変に気づいた。トイレ紙がないのだ。紙だけでなく、壁にホルダーすらない。併設の多機能トイレも同様だった。
「紙がないんだけど……」。しかし、猶予は無い。同僚に事情を伝え、仕方なく個室に入った。
すぐに同僚が700メートル…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル