群馬で住人が最も少ない上野村。日航機墜落事故のあった御巣鷹の尾根があり、取材で通った。出会った小学生から「東京では取材を受けることなんてそうないんだよ」と言われ、大人びた口調に興味を引かれた。首都圏の子どもたちが、自然の中で共同生活しながら成長している。(川村さくら)
昨年12月上旬、午後3時半ごろ。「ただいまー」。学校からスクールバスで、子どもたちが群馬県上野村の「山のふるさと合宿 かじかの里学園」に帰ってきた。
みな食堂へ入っていくと、ノートやタブレットを広げて宿題を始める子、本を読む子、ピアノをひく子、卓球を始める子……。
よく見ると、手の甲にあかぎれがある子が多いことに気がついた。「都会の人間はこの(村の)寒さに慣れてないんだよ」。一人が教えてくれた。
入浴や洗濯を終えて午後6時。指導員と子どもたちで作った夜ごはんを食べる。この日のメニューはサラダとカレーとリンゴ。おのおので皿洗いを済ませ、午後7時過ぎにはミーティングをする。
園では毎日「キャプテン」が決まっており、司会を務める。指導員が連絡事項を伝えると、子どもたちはノートにメモする。
「子どもたちが自分の言葉で考えることが大切」
この日はそこから、「イタチ裁判」が始まった。
かじかの里の生活とは
記事後半では、かじかの里での子どもたちのくらしや、子を送り出している親の思いを紹介します
イタチは朝、外のニワトリを…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル