性的少数者への理解を広げるための「LGBT理解増進法案」の国会提出が議論される中、ネット上では人権を揺るがす差別的発言が飛び交います。「Re:Ron(リロン)」の記事「性的少数者への冷たい『スイッチ』入る前に 私たちは差別から学べる」で、性的少数者やそうかもしれないと感じる若い世代を支える遠藤まめたさん(36)=写真=に、差別を乗り越えるために問われていることを聞きました。
遠藤さんは学生時代からネットを通じた活動を続け、LGBTQなどの人たちが地理的・経済的な制約を超えてつながる場をつくってきました。ところが今、ネット上の空間は殺伐として悪意が拡散されやすく、意見が異なる人との議論が難しくなっていると感じると言います。
「多くは『サイレントマジョリティー』として黙っていて、断定的な意見ばかりが目立つようになるのではないでしょうか。私は半分、あきらめも感じています」
差別に直面する当事者の存在に、私は思いをはせてこられたか。多様な性への理解が不足する現状を知ろうとしていたか。遠藤さんの言葉は自分への問いにも聞こえ、省みました。
失言が炎上し、批判されるだけでは社会はよくならない。差別を乗り越えるには、「どう知ってもらうかが大事」と遠藤さん。当事者でない人が「学ぶこと」の意義も語っています。
インタビュー記事の末尾の「おたよりフォーム」では、19日まで読者の皆さんの感想や考え、質問を受け付けています。それをもとに、改めて遠藤さんにお話をうかがって記事にする予定です。皆さんと考えていきたいです。(畑山敦子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル