京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の元教授が発表した論文に、研究手法や内容についての疑いが持ち上がり、大学側が調査していることがわかった。元教授は、大麻の合法的成分「カンナビジオール(CBD)」を活用しようとする研究をしていた。研究はどのようなもので、なぜ問題視されているのだろうか。
研究不正の調査の対象となったのは、正高信男教授(当時)が単独の著者として2019年11月に、スイスの科学誌「フロンティアズ・イン・サイコロジー」に発表した論文(https://doi.org/10.3389/fpsyg.2019.02466)だった。
論文によれば、大麻の合法的成分の一種CBDの効果を調べる研究だった。人とうまく話すことができないといった症状があり、対人関係をうまく築けない社交不安障害を抱える国内の18、19歳の男女40人を集め、CBDを含んだオイルを服用するグループと、含まないオリーブオイルを服用するグループに分け、効果を調べたとされる。
最終的に17人が4週間、CB…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル