伊木緑
「最終的に私ども、日本に来ましたよ!」。8日に来日した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、政府や東京都、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会など5者の代表者による協議の冒頭、興奮した様子でこう切り出した。
菅義偉首相が記者会見を開き、東京都に緊急事態宣言を出すと発表した直後の同日午後8時。バッハ会長は3日間の隔離のため、オンラインで出席した。
「今日の午後着きました。私はこの日をずっと1年以上待ち望んでおりました。今はもう呼び出しをかけられているアスリートのような気がします。日本に来て態勢を整えて準備をし、そしてこれからアクションに臨むということです」
今回の5者協議は観客の扱いについて決定する場。その後に大会組織委の橋本聖子会長が「非常に困難な決断を行うことになる」と述べたのとは対照的に、バッハ会長は前向きな言葉を並べた。
バッハ会長は大会終了まで滞在する予定だ。「安全で安心な大会をすることができるように、東京で7月23日からそれをスタートすることができるようにと、そのために来ているのであります。まさにその瞬間のために我々は仕事をしてきたのであります」
報道陣に公開された冒頭あいさつの終盤には、来日する五輪関係者や選手団のワクチン接種状況についてもアピールした。「少なくとも五輪選手団の人たちで日本に来る人の中で85%以上がワクチン接種を済ませて来日するという状況になっております。IOCのスタッフにつきまして、100%に近い数字となって来日します。ということは、我々の責任を示しているということであります」(伊木緑)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル