佐藤瑞季、山下寛久、小林圭
温かいご飯のお供として定番の「シラス」のパックに最近、フグの混入が相次いだ。いずれも稚魚だったが、販売業者が回収する事態となった。フグの毒はよく知られるが、フグの稚魚にも毒性はあるのだろうか。専門家らに聞いた。
シラスは地域などで魚の種類が異なるが、主にカタクチイワシやマイワシの稚魚を指す。ゆでると「釜揚げ」、乾燥させると「ちりめんじゃこ」などとも呼ばれる。
シラスパックにフグ混入、相次ぐ
東海3県では9、10月、スーパーで売られていたシラスの中からフグが相次いで見つかった。愛知県内で販売されたシラス干しの箱には約2センチ、三重県の海産物販売会社が加工し、岐阜県で販売されたちりめんじゃこのパックには約3センチのフグの稚魚が混入していた。それぞれ同じ商品が、系列店など広い範囲で売られていた。
有毒部位を食べると最悪の場合には死に至る可能性があるとして、行政機関が「絶対に食べないで」と呼びかける騒ぎになった。現時点で健康被害は確認されていない。
フグは猛毒のテトロドトキシンを持ち、食品衛生法は未処理での一般販売を禁じている。種類によって有毒部位が異なり、厚生労働省がホームページ上で、日本沿岸でみられるフグの種類と食べられるか否かのリストを公開している。
フグ毒に詳しい長島裕二・新潟食料農業大教授(食品衛生学)は、「フグの肝臓と卵巣は全ての種類で食べられない。フグは毒があるのが前提で、資格のない人が調理したものを食べてはいけない」と警告する。
■「小さくても毒性はある」…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル