プロボクシング元世界王者の亀田興毅氏ら3兄弟と所属先の個人事務所が、不当な処分で試合ができなくなり損害を受けたとして、日本ボクシングコミッション(JBC)とその理事らに約6億6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、東京地裁であった。谷口安史裁判長はJBCの処分が違法だったと認め、計4550万円を亀田氏側に支払うように命じた。
訴訟の発端は2014年。国際ボクシング連盟(IBF)スーパーフライ級王者だった亀田大毅氏が、13年の2団体王座統一戦に負けてもIBF王座を失わなかったことで混乱を招いたとして、JBCは3兄弟が所属するジムの会長らのライセンスを更新しない処分を下した。
亀田氏側が「王座維持」のIBFのルールを把握していながら報告しなかったことなどを問題視したとみられている。
亀田氏側は、ルールの説明の場にJBC関係者が同席していたため報告は不要で、「処分は結論ありきの違法なものだ」と主張。国内で試合ができなくなり、ファイトマネーや興行収入を得られなくなる損害を被ったとして提訴していた。
関係者によると、東京地裁はJBC側が亀田氏側に4千万円を支払う和解案を提示したが、亀田氏側がJBC幹部らの辞任を条件としたため折り合わなかった。(新屋絵理)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル