食物アレルギーを引き起こす食品を任意で表示する「推奨表示」の対象について消費者庁は14日、追加や削除する際の考え方の案を有識者会議で示した。症例数で上位20品目に入っているかどうかなどの判断の目安が提案され、有識者らからおおむね了承を得た。
現行のアレルギー表示制度では、表示が「義務」のものが8品目、「推奨」のものが20品目ある。2001年の制度開始以降、約3年ごとに行う全国実態調査の結果を踏まえ、症例数や重篤度によって、表示の必要性が高いものを義務表示、症例数や重篤例が相当数みられるものは推奨表示に追加してきた。
一方、現在20品目ある推奨表示には、症例数や重篤度の観点から見直すべきものがあるとされ、追加と削除のそれぞれの考え方を整理することとした。事業者や消費者にとって対処しやすい仕組みを目指す。
この日消費者庁が示した判断項目によると、直近2回の全国実態調査で、症例数が上位20品目に入っているもの、またはより重篤なショック症例数で上位10品目に入り、個別の検討が必要なものに該当する品目が推奨表示の追加候補になる。
削除候補となるのは、直近4回の同調査で、症例数で上位20品目に入っていないもの、及びショック症例数が極めて少数であるものに該当する品目。また、推奨表示の対象品目と義務表示対象品目とを合わせた数は現行の28品目を目安とするとした。
こうした考え方にあてはめると、直近2回の調査で上位20品目に入ったマカダミアナッツが推奨表示に追加候補となり、直近4回の調査で症例数がなかったマツタケは削除候補になるという。マツタケは、2001年の制度開始時点から、他の品目と合わせて「過去に一定の頻度で重篤な健康危害が見られているから」との理由で推奨表示として指定されていた。
この日の会議で消費者庁は、症例数が増加しているカシューナッツについて、義務表示への追加に向けて検討することも明らかにした。25年度以降の改正に向けた手続きを行う予定。(寺田実穂子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル