遠藤美波
トヨタ・レクサスなど高級車を繰り返し盗んだとして、兵庫、大阪の両府県警の合同捜査本部は、堺市中区の金取引業、銭谷明容疑者(32)=公判中=ら男女15人を窃盗などの疑いで逮捕、追送検して一連の捜査を終えた。捜査関係者への取材でわかった。
捜査本部は、このグループが近畿圏を中心に約160台の自動車盗に関わり、7億円超の被害を裏付けたとしている。
捜査関係者によると、銭谷容疑者らは2019年3月~20年6月、大阪、兵庫、愛知など6府県で、トヨタのレクサスやプリウスなどを盗んだ疑いがある。うち27件(被害総額約1億円)について、窃盗などの罪で起訴された。
メンバーのLINEのやりとりや供述などから、銭谷容疑者はグループの指示役で、暴力団の関与もあるとみている。
電子鍵代わりに「ガラケー」でエンジン起動か
捜査関係者によると、銭谷容疑者らのグループは、従来型の携帯電話、いわゆる「ガラケー」を悪用して自動車盗を重ねていたという。
特定の型のガラケーのプログラムを改ざんし、車内のコンピューターと接続することで、スマートキー(電子鍵)で動かすタイプの車のエンジンを起動できるようにした、と捜査本部はみている。
カーセキュリティー会社「ミラージュ オートアラーム」(奈良県天理市)によると、スマートキーの電子的な防犯システムを破る手口は増えているという。対策として、スマートキーの仕組みと連動しない防犯装置を加えることが望ましいとしている。(遠藤美波)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル