恋愛感情などを抱かせて現金をだまし取る「ロマンス詐欺」が増える中、弁護士に助けを求めてトラブルになるケースが相次いでいる。「二重の被害」に遭ったと訴える女性が悔やみ続ける理由とは――。
2年ほど前、関東地方の50代女性がSNSにランチの写真を投稿すると「いいね」がついた。
相手は東京在住の貿易商でフランス人の「Jack(ジャック)」。メッセージも届き、フランスに行ったこともある女性は親しみがわいて返信した。
観光地の話題で意気投合したと感じ、LINEでやり取りすることに。仮想通貨(暗号資産)の取引でもうけ、専属の運転手もいる――。Jackはそう打ち明け、こんな提案をしてきた。
「一緒にお金の勉強をしよう」
言われるままに夫の退職金を…
ぜいたくな暮らしを夢見ていた女性は、言われるままに仮想通貨の口座を開設。夫の退職金や長年の預金から計約1千万円を入金した。
だが1カ月後、残高が突然ゼロになった。すると、取り戻すために「保証金」を入金するようJackに求められた。
投じた金額はどんどん膨らみ、気がつけば計6580万円に。
「詐欺かも」と思ったが、誰にも相談できなかった。すがるようにネットで「詐欺」「返金」と検索し、上位に出てきた法律事務所に連絡すると、こう伝えられた。
「国際ロマンス詐欺の被害回復の実績がございます」
事務所とは、ほぼネット上の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル