ローカル線の再編を進める新制度が動き出しました。事業者と自治体が話し合う「再構築協議会」の枠組みです。
JR西日本は10月3日、広島・岡山を走る芸備線の一部区間を対象に全国で初めて国に設置を要望しました。国土交通省の審議会で、新制度づくりに関わった名古屋大大学院の加藤博和教授に話を聞きました。
――なぜ今、ローカル線が問題なのですか。コロナ禍の収益減を機に議論が始まったように見えます。
その見方だと、いつまでたっても地域の役に立つ公共交通にはならない。
コロナであろうとなかろうと、輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)が千人未満の線区では、鉄道として運営するのはふさわしくないと、鉄道会社は考えている。そのような状態でもJRは現状維持をしてきた。
地域として今のままでいいのか、考えるきっかけにしてほしい。
――地域には、再構築協議会は「廃止ありき」ではという懸念があります。
廃止ありきでも、存続ありきでもない協議をする場でなければならない。JR西などがリストを出した線区は、ほぼ全部収支率が1割以下の「超絶赤字」。放置するほど利用も人口も減っていく。
今日も通学している高校生が「こんな不便は嫌だ、早く町を出て大阪や東京に行こう」と思っているかもしれない。地域が鉄道を生かす努力を何らせず、「JRが、国がやるべきだ」と言っていたら話にならない。
国の責任は?
――地域に何ができるでしょうか。
国鉄からJRに移行したときに第三セクターになった線区は、今やJRで残った線区よりも利用が多いところが結構ある。
地域が関与しているかいない…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル