学校法人明浄(めいじょう)学院(大阪府熊取町)の元理事長らによる業務上横領事件で、大阪地検特捜部は東証1部上場企業のトップの逮捕に踏み切った。一代で会社を関西きってのディベロッパーに急成長させた立志伝中の人物に何があったのか。
大阪地検が入る大阪中之島合同庁舎(大阪市)の入り口で16日午後4時前、椅子に座っていた白シャツにネクタイ姿の男が地検の係官に呼びかけられ、「どうも、どうも」と小声で答えながら奥に入った。
男は、地場不動産大手プレサンスコーポレーション(同市)社長の山岸忍容疑者(56)。週末に続き、特捜部の任意の事情聴取のために呼び出されていた。同日夜、法人元理事長の大橋美枝子容疑者(61)らと共謀し、明浄学院高校(同市阿倍野区)の土地取引をめぐって法人資金21億円を着服したとする業務上横領容疑で逮捕された。
山岸社長は滋賀県出身。1985年に大手不動産会社に入社後、大阪市内の不動産会社勤務を経て、97年10月にプレ社を設立。社長は同社ホームページで「『一隅を照らす』を企業理念とし、総合マンションデベロッパーとして常に真摯(しんし)な心で事業に取り組んでおります」とあいさつ。コンプライアンス(法令や社会規範の順守)の重視も強調していた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル