11~12月になると、木についた実のオレンジ色が鮮やかになり、収穫の最盛期を迎える。
パチン、パチン。脚立に乗った男性が、手際よく実をつんでいく。
ハサミを2回入れるのは、ヘタに茎が残るとほかの実を傷つけてしまうからだ。当然、機械では収穫できない。
「まだ4日目だけど、若いと覚えるのが早い。助かった」。家族で農園を営む山本純さん(36)の視線の先で作業していたのは、阿部仁さん(29)だ。肩にかけた布製のバケツは、すぐにいっぱいになった。
人手が必要なミカンの収穫は、「切り子」と呼ばれる地域の人たちが手伝ってきた。だが今は、人口減や高齢化で人集めが難しくなっている。
シャンプー補充もゴミ分別も宿泊者が担うペンション
阿部さんは、自転車で全国を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル