保育園や幼稚園などでの園児への虐待といった「不適切保育」について、全国の政令指定市と東京23区が2022年4~12月に少なくとも計128件を把握していたことが朝日新聞の調べで分かった。園から報告を受ける手続きなどを定めていない自治体も回答の6割を占めるなど、実態を捉えるのが難しい現状が浮かび上がった。
43自治体を対象にアンケートし、自治体が把握した不適切保育の件数や内容、報告を受ける基準の有無などを聞いた。
不適切保育の件数について回答したのは16自治体。6割超の27自治体は「国から回答を控えるように言われた」などとして答えなかった。厚生労働省は同様の調査をしており、公表方法が決まるまで朝日新聞への回答を控えるように要請したと説明。「自治体ごとの件数にかなりのバラつきがあり、数字が独り歩きする恐れもある」(同省保育課)としている。
回答があった128件の内訳(複数回答。一部自治体は非公開)をみると、「強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ」(37件)が最も多く、「罰を与える・乱暴な関わり」(34件)、「子どもの人格を尊重しない関わり」(30件)と続いた。このうち2件が虐待(「身体的」「性的」が各1件)と判断された。
件数は自治体によって大きな…
こぼれ落ちる子どもたち
虐待、貧困、性被害……。大人がつくった支援制度からこぼれ落ち、困難に直面している子どもたちがいます。今の国会では、「こども家庭庁」の設置法案などの審議が始まり、子ども政策の転換点を迎えます。今後、子どもたちに救いの手が届くのでしょうか。リアルな声とともに伝えます。[もっと見る]
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル