増山祐史、山口啓太
警視庁は10日、2000年に東京都世田谷区であった一家殺人事件と、02年に江東区であった強盗殺人事件に関する情報提供を事件現場近くで呼びかけた。いずれも未解決のまま20年以上が経った。捜査関係者は「小さな情報でも寄せてほしい」と話している。
世田谷区の一家殺人事件は00年12月31日に発覚。会社員の宮澤みきおさん(当時44)と妻泰子さん(同41)、長女にいなさん(同8)、長男礼君(同6)が自宅で殺害されているのを親族が見つけた。現場には犯人の血痕や指紋、トレーナーが残されていた。
警視庁は延べ29万406人の捜査員を投入して容疑者を追ってきた。今年11月までに1万4139件の情報が寄せられているが、解決には至っていない。10日は成城署員ら約50人が小田急線成城学園駅前などで情報を呼びかけた。同署の早川直敬署長は「多くの情報を寄せて頂くことが事件解決につながる。ささいなことでもいいので、ちゅうちょせずに寄せてほしい」と話した。
事件解決に結びつく情報を提供した人には公的な特別報奨金(上限300万円)と、有志による私的懸賞金(同1700万円)が支払われる。情報は同署捜査本部(03・3482・3829)へ。
20年前には高齢夫婦殺害事件も
江東区北砂7丁目の質店「藤井商店」での強盗殺人事件は、02年12月10日午前10時25分ごろ、同店経営の藤井義正さん(同78)と妻えつ子さん(同74)が自宅兼店舗の1階寝室で頭から血を流して死亡しているのを長男の妻が発見し、発覚した。室内に物色された跡があったという。
10日は捜査員らが夫婦の墓参りに訪れ、情報提供を呼びかけた。城東署の菊次信吾刑事組織犯罪対策課長は「必ず犯人を検挙して(墓前に)報告に来たいと思った。ささいな情報でもいいので提供してほしい」。有力情報の提供者には最高300万円の私的懸賞金が支払われる。情報は同署特別捜査本部(03・3699・0110)へ。(増山祐史、山口啓太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル