芳垣文子 阿部浩明
「北海道・北東北の縄文遺跡群」のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界文化遺産への登録が、27日決まった。道や遺跡の地元では歓迎ムードが広がるが、コロナ禍で観光振興にはすぐにつなげるのは難しい。遺跡の価値のPRや観光客増に備えたアクセス路の確保などの課題も残る。
「遺跡群」に含まれる道内の遺跡は、垣ノ島遺跡(函館市)▽大船遺跡(同)▽北黄金貝塚(伊達市)▽入江貝塚(洞爺湖町)▽高砂貝塚(同)▽キウス周堤墓群(千歳市)。縄文文化を今に伝える貴重な遺跡だ。
道内の世界遺産は、2005年に自然遺産として登録された知床(斜里町、羅臼町)に続き2件目。文化遺産では初となる。
登録が決まった27日夜、道庁赤れんが庁舎では鈴木直道知事や道議会の小畑保則議長、倉本博史教育長ら約30人が世界遺産委員会のライブ中継を見守った。午後7時前に正式登録が決まると一斉に拍手がわき起こった。
鈴木知事は「皆さんと歴史的瞬間に立ち会えたことを心からうれしく思う。遺跡群の適切な保存、活用はもちろん、世界の宝として認められた普遍的な価値や魅力を国内外に向けて積極的、効果的に発信していく」と語った。
遺跡の地元市町の首長もオンライン中継でつなぎ、喜びを分かち合った。登録に向けて活動してきた民間団体「北の縄文道民会議」の堀達也代表からは鈴木知事に遺跡群ガイドブックの目録が贈られた。
最後にくす玉が割られ「祝 世界遺産登録決定」の垂れ幕が姿を現すと、会場は祝福ムードに包まれた。
歓迎ムードの一方、コロナ禍…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル