成沢解語
防衛省は19日、中国海軍の測量艦1隻が17日夜に鹿児島県周辺の接続水域から領海に入ったと判断した、と発表した。中国側には外交ルートを通じて懸念を伝えたという。南西方面の海域では沖縄県の尖閣諸島周辺で中国海警局所属の公船「海警」が領海侵入を繰り返しているが、中国海軍艦艇による領海侵入の公表は4回目で2017年7月以来。同省は警戒監視に万全を期すとしている。
領海は沿岸約22キロ内で、接続水域は領海の外側約22キロ内。同省によると、17日午後8時40分ごろ、海上自衛隊のP1哨戒機が、鹿児島県の屋久島の南の接続水域から領海に向けて西進する中国海軍シュパン級測量艦1隻を確認。18日午前1時20分ごろには同県の口永良部島の西の接続水域を西に航行しており、同省は測量艦が領海に入ったと判断したという。
中国海軍艦艇が領海を航行したと防衛省が公表したのは、2004年11月、16年6月、17年7月に続き4回目。同省は今回の領海侵入について「あえてわが国の領海を航行したと判断しており、特異な事案だ」と説明した。一方、領海は軍事や経済活動などをしなければ国連海洋法条約で「無害通航」として航行が認められるが、今回について同省は「分析中」としている。(成沢解語)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル