東京都中野区の老人ホームで2017年8月、入所者の男性(当時83)を風呂で溺死(できし)させたとして、殺人罪に問われた元職員・皆川久被告(27)の裁判員裁判の初公判が27日、東京地裁であった。皆川被告は死亡させたことを謝罪しつつ、「殺す目的はなかった」と起訴内容を否定。弁護人は「罪が成立するとしても、業務上過失致死にとどまる」とした。
冒頭陳述で検察側は、皆川被告は以前から仕事に不満があったとし、夜勤中に男性が便を漏らしたことに怒って首を絞め、浴槽に投げ入れて殺害したと指摘。首や胸の骨の一部が折れていることが犯行を裏付けていると述べた。
一方、弁護側は労働環境が過酷で転職を考えていたのは事実だが、入所者が便を漏らすのは日常的で、それで殺意を持つことはありえないと反論。風呂には連れて行ったが投げ入れておらず、男性は入浴中に目を離したすきに溺れたとしたうえで、骨折は救出時や心臓マッサージを受けた際に生じたと主張した。
検察側は、被告が捜査の初期段…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル