亀岡暴走事故の遺族「緊張感持ってほしい」　京都家裁の記録廃棄に

　2012年に京都府亀岡市で無免許運転の車が小学生らの列に突っ込み10人が死傷した暴走事故で、保護処分を受けた少年らの記録を京都家裁が廃棄した問題で、最高裁が6日、事故で長女（当時26）を亡くした中江美則（よしのり）さん（59）に謝罪した。中江さんは報道陣に「反省はしていると思う。これで終わりではなく、緊張感を持ってやってほしい」と話した。

　最高裁が公表した報告書によると、家裁の当時の担当者は、記録を保存するのは殺人や放火などの重大事案だと考え、暴走事故の廃棄手続きを進めた。廃棄にあたり、担当者は誰かに相談しなかったという。

　中江さんや代理人弁護士によると、京都市左京区にある家裁で最高裁の担当者ら計4人と面会。最高裁側は中江さんに廃棄の経緯を説明し、謝罪したという。

　報告書では、改善策として、国立公文書館へ移管する記録の範囲拡大や、常設の第三者委員会の設置などを挙げている。面会後、取材に応じた中江さんは「専門家ばかりでまとめず、ぼくらの声も聞いてほしい」と訴えた。（光墨祥吾）