名神高速道路の関ケ原インターチェンジ(IC、岐阜県関ケ原町)の上下線で24日朝から発生した車の立ち往生は、19時間ぶりに解消した。車列の長さは一時6キロを超え、動けなくなった車は約770台に上った。立ち往生はどのように起こり、どう解消されたのか。
速度制限・除雪車運行していたけれど…予想以上の降雪
中日本高速道路(NEXCO中日本)によると、24日午前9時10分ごろ、下り線でトレーラー2台が雪の上でタイヤが空転する「スタック」を起こした。その後続の車両最大約500台が進めなくなり、車列は6・6キロまで延びた。上り線も同IC付近でワゴン車が動けなくなり、約270台(最大5・5キロ)が立ち往生した。
気象庁によると、関ケ原町では24日、午前7時に2センチの積雪を観測。午前8時には9センチ、午前9時には17センチまで増えた。その後も増え続け、午前10時に24センチ、午後1時には50センチを超える積雪があった。
同社によると、除雪能力を超える大雪が予測された場合は鉄道の「計画運休」にあたる「予防的通行止め」を実施するが、今回の現場は、この区間に含まれていなかった。同日朝は速度制限をかけ、除雪車を運行していたという。
だがこの日午前9時以降、予想をはるかに上回る降雪があった。関ケ原IC付近では同時多発的に車両が動けなくなり、後続の車が立ち往生。除雪車を投入できず、作業員らが人力で除雪にあたった。
「昨年の反省を生かして実現した対応」
中部地方整備局によると、午後2時半ごろ開かれた同局や県、NEXCO中日本などが参加する関係機関の会議で、同社は県に、自衛隊への派遣要請をするよう求めた。これを受けて県が陸上自衛隊に災害派遣要請をしたという。
NEXCO中日本によると、24日夜に陸上自衛隊員300人以上が現場の除雪に加わった。同社は「総合的な検証はこれから」としつつも、「1台の車を救出する時間は昨年に比べて速かった」とする。
昨年1月の大雪でも、滋賀・三重両県の新名神高速で多くの車両が立ち往生し、最大約65・5キロの車列が連なった。解消までに最大28時間を要した。時間がかかった一因が除雪の難航だったが、自衛隊に災害派遣を要請する対応はとられなかった。
同社によると、昨年の新名神の立ち往生の際は、自治体を通じての自衛隊への要請は想定していなかったという。同社の広報担当者は「昨年の反省を生かして実現した対応」とする。
立ち往生は上り線が25日午前0時、下り線は同日午前4時に解消した。同社は除雪作業を進め、同日午後7時半、名神高速で続いていた通行止めを全面解除した。
続いた渋滞、自宅到着は午前4時ごろ
岐阜県土岐市から大阪方面に向かっていた会社員の男性(51)は、立ち往生に巻き込まれて約12時間後に解放された。
関ケ原ICから250メート…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル