日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)を海外に逃亡させたとして、犯人隠避の罪に問われた米軍特殊部隊「グリーンベレー」元隊員マイケル・テイラー(60)と息子ピーター(28)の両被告に対する被告人質問が29日、東京地裁であった。マイケル被告は逃亡当日について「予行演習のつもりだったが、ゴーン氏が『今晩出る』と言って決めた」と証言した。
親子はまず「自分の行いを深く後悔している。日本の裁判所、検察、さらに日本の方々におわびしたい」などとそれぞれ述べ、頭を下げた。
マイケル被告は、逃亡を実行した2019年12月末について「予行演習のつもりだった」と供述した。当初の予定では、関西空港の保安状況や出国手順を確認するため、ゴーン元会長は搭乗せず、マイケル被告らだけで出国するつもりだったという。しかし、東京から関空近くのホテルまで一緒に移動した元会長が音響機器用の箱を見て「今晩出る」と言い出し、この日の逃亡が決まったという。
逃亡を手助けした理由についてマイケル被告は、ゴーン元会長や妻のキャロル容疑者(54)=偽証容疑で逮捕状=から「日本で精神的に拷問を受け、監禁されている」と言われ、「かわいそうな人を助けるんだと考えていた」と語った。
起訴状によると、テイラー親子は19年12月29日、ゴーン元会長=会社法違反などの罪で起訴=が海外渡航禁止の条件で保釈中と知りながら、元会長を箱に隠し、関空からトルコ経由でレバノンに逃亡させたとされる。(金子和史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル