オリンピック(五輪)開催中に新型コロナの感染爆発に至った東京。30日夜には、日本勢のとった金メダルは17個と過去最多となり、国内感染者数も1万743人と過去最多を更新した。外出自粛が要請されるなか、公園や飲食店には人の姿が少なくない。なぜいま、そこに? 週末の夜、東京・渋谷を記者が歩いた。
午後8時過ぎ、飲食店の明かりが消え始めると、JR原宿駅方面からコンビニのポリ袋を手にした若者らが一人、また一人と「五輪橋」を渡って代々木公園に吸い込まれていった。
1964年の東京五輪で一帯は選手村となり、橋はそのころ架けられた。その後出来た公園には今回、五輪のパブリックビューイング(PV)会場ができる予定だったが中止に。代わりにワクチン接種会場ができた。
若者たちは「飲酒自粛」の看板が立つ園内のあちこちで談笑していた。20代の会社員男性は、大学の同級生と2人で缶チューハイをあおった。コロナの新規感染者が急増しているのは知りつつも「公園なら換気もいい」。勤め先のIT企業は在宅が基本で、飲み会は1年以上していない。「久しぶりに顔を合わせて飲むから」と、1万円分のすしを買った。
ブルーシートを広げて、同僚3人とワインを飲んでいた女性(30)は「PV気分を味わおうと思って」足を運んだ。一つのスマホの五輪中継をみんなでのぞく。「本当は歓声をあげ、ハイタッチしたかったな」とつぶやいた。
「メダルだ!」声を上げた2人
渋谷駅そばの区立宮下公園…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル