東京五輪・パラリンピック選手村の交流施設「ビレッジプラザ」は全国から集めた木材で建設され、解体後にはそれぞれの地元に木材が返される。競技会場を飾ったアサガオは、育てた学校に鉢が戻された。こうした五輪・パラとのつながりは各地の「レガシー(遺産)」となりつつある。
ビレッジプラザには雑貨店やカフェ、メディアセンターなどが設けられ、選手や関係者らが滞在した。木造平屋建てで、延べ床面積約5300平方メートル。柱や梁(はり)には、63自治体で伐採された約4万本のスギやヒノキなどが使われ、木材には産地の印が押された。
大会組織委員会が2017年、「日本の木材活用リレー」プロジェクトとして木材を無償提供してくれる自治体を募った。大会後、建物を解体し、木材に大会で使われたことを示す刻印を施して、来年2月までに各自治体に戻す。「木材を再び活用し、レガシーを身近に感じてもらいたい」と組織委は期待する。
村全体に広がった「ハンガープロジェクト」
プロジェクトを通じ、各地で五輪・パラへの関心は高まった。
長野県の最南端に位置する天龍村。天竜川が南北に貫く、自然豊かな人口1100人ほどの村だ。村からはヒノキとスギを提供した。永嶺誠一村長は「村産材が大会で使われることは、村民の誇りや自信になる。過疎化が進む村にとって大きなレガシーになると考えた」と語る。
その思いは村全体に広がった…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル