新型コロナウイルスによる死者が1万人を超える中、今夏の東京五輪開催に向けた聖火ランナーが日本列島を縦断している。そのことに無批判なメディアに懸念を示すのが、1998年の長野冬季五輪からずっとオリンピックの闇と対峙(たいじ)してきた長野市の染織家、江沢正雄さん(71)だ。「国策」に物言えぬ空気は戦時と似ていないか。憲法が保障する市民の自由や権利は生かされているのか。きょうは74回目の憲法記念日。
「なかったこともあったことにするのでは」
長野市内を聖火ランナーが巡った4月1日、沿道で東京五輪に反対する声を上げた市民団体「オリンピックいらない人たちネットワーク」のメンバーのひとりが江沢さんだ。聖火リレーの映像を配信するNHKの特設サイトでこの音声が約30秒間途切れたことに対し、「意図的に消された」と抗議。説明を求めている。
このコロナ禍では、「人流を抑えることが重要」と言いながらタレントらを走らせ、結果的に密をつくっている。「国民の命が大事」と言いながら、やっていることは逆ではないか。
世論調査でも多数が今夏の五…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル