レオナルド・ダビンチは空に魅せられ、空を飛ぶことを夢見たという。「ダビンチがそうであったように、人間は本来的に空が好きなんだと思う」と、バルーン競技にのめり込む京都大学生がいる。
4日まで佐賀市の嘉瀬川河川敷で開催された「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。3度目の出場だった地元出身の山下太一朗さん(26)は「自分が結果を残すことで、より多くの人に気球文化を楽しんでもらいたい」と話す。
幼い頃から気球に夢中だった。練習するバルーンを見ようと普段から嘉瀬川河川敷を訪れ、パイロットらに声をかけてはサインやピンバッジをもらっていた。初めて乗ったのは、小学生の頃。空高く上がるにつれて、見慣れた日常の空間がどんどん遠くに離れていく。そんな感覚に魅了された。
京都大学に進学し、熱気球サークルに入ると、今度は競技としての面白さにはまった。ふわふわと優雅に見える気球だが、選手たちは感覚を研ぎ澄まして風を読み、気象データと照らし合わせながら飛行プランを練って勝負している。山下さんは「自然と向き合い、いかに戦略を立てるかが重要。他のスポーツとは全く違った魅力がある」と話す。
大学3年次にパイロットのライセンスを取得。さらに練習を重ね、国内外の大会に出場するようになった。平野だけでなく、山間部や風の異なる海外でのフライトも経験。昨年9月、ポーランドで開かれた26歳以下の「熱気球ジュニア世界選手権」では、8位入賞を果たした。
大会遠征費などの資金集めのため、平日は協賛企業を探して営業にまわる。大学には顔を出さず、留年を重ねて今年で「7回生」に。両親は「早く卒業して」と口では言うものの、山下さんは「きっとあきらめていますよ」。バルーンフェスタの期間中は、チーム全員で実家に泊まるのが恒例で、両親も笑って送り出してくれるという。
目標は、世界選手権で「日本代…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル