東京都心から南に約120キロの伊豆大島で、本来は暖かい南の海に生息している魚が厳冬期を生き延び、越冬しているのを現地の海を潜った水中写真家の堀口和重さんが確認した。今年2月末、10種類以上の魚が生き延びている様子を撮影した。
伊豆大島で長年ダイビングショップを経営している有馬啓人さんによると、これらの魚は「死滅回遊魚」「季節来遊魚」などと呼ばれている。南方の海で生まれ、秋ごろ、黒潮に乗って伊豆大島にたどり着く。例年は冬に海水温が下がると耐えきれず死滅していくが、この数年は冬場の海水温が以前に比べて1~2度ほど高い状態が続き、多く生き残るようになったという。サンゴも近年は大きく育つようになり、数も増えている。漁網にひっかかるケースもあるという。
有馬さんは「南方種の魚が生き残る一方で、島に元々いた魚の一部が見られなくなり、心配しています」と話している。(諫山卓弥)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル